TEDxHimi:ジョン・ハンター氏講演

投稿者: | 2017年8月4日

来日したジョン・ハンター氏に、東京での活動の前に、ちょっとだけ日本海側にオーバーランしていただいて、TEDxHimiのスペシャルイベントということで、氷見で講演していただいた。

『世界平和ゲーム』についてのTEDトークと、その本が出版されていること。
氏の『世界平和ゲーム』の活動は、もう40年も続いているということぐらいが簡単に得られる予備知識で、自分の知識もそんな程度という状態だったが、公立学校の教員で、自分の試みを継続してTEDにまで登壇してしまう人の話しというのは、やはりなんとも心に響くものだった。

講演の中で紹介していたエピソードで、TDEトークの内容とも少しリンクするのが、ある私立の学校に招待された時に、凄いリムジンで自分を迎えに来たのが、ちょっといけ好かない感じの、妙にリッチな雰囲気を出している若者だったという話し。
彼は、教員だということだったが、「先生の世界平和ゲームのドキュメンタリーが好きだ」ということで、彼にあまり好意を持てないままだったジョン・ハンター氏は、特に何の気もなく「どこらへんが?」と問うたら「死んだ兵士の家族に手紙を書くところ」という返答。
何故なら、彼もまた教師になる前は、兵士として戦場に従軍しており、現代戦とは思えない様な、至近戦が起こる戦地で、家族に手紙を書いていたのだそうだ。
私立の学校の教員であることや、身なりで、完全に印象だけで人物の判断を誤っていたと、ハンター氏は言っていた。
ゲームの中のこととはいえ、兵士の命を考えることで、責任について考えて欲しい。そんな目的があって、ゲーム中の戦場で死んだ兵士の家族には手紙を書くのだという。
軍のあるアメリカならではのリアリティだろうが、最近の日本で戦争を、軍備をと言っている皆さんの中には、どんな現実として考えられているものだろうか。

また、とある講演先で偶然に出会った世界平和ゲーム第一回の参加者が、「多面的な視点で」というゼスチャーを、自分はずっと覚えて使っており、娘や孫にも教えているとハンター氏に伝えたという話しも、非常に印象的だった。
世界平和ゲームは、実際に四つの国に別れて世界の問題を解決するために小学生たちが挑戦する。
ゲームの終わる次点で、全ての国の資産価値が、開始時よりも向上していなければ「勝利」は得られない。
そんな条件の中で、子どもたちはゲームで設定された課題を解決していくために、考えを巡らせていくわけだが、その過程の中で得た「多面的な視点で」というものの見方、考え方を、孫ができる年齢になるまで心に刻み、伝えることができる。そんなチャンスを得た人も居たのだということが、正直羨ましかった。

小学校で何か、ものの見方や考え方を得た人は居るだろうか。
自分が小学校で得た一生モノの教育といえば、左利きだったにも関わらず、左手で字を書くことを禁じられて、更に字が汚いと言われ続けたので、その担任が変わってからも、宿題の提出が苦痛だったし、宿題には積極的に手を付けないと心に決めたことぐらいだ。
直に書いて提出すること全体が苦痛で、手書きで出す物は、今も必要以上に書き損じる。

どんな風に世界を見るか、どんな風に考えるか。
自分はどんな風に世界を見られるか。自分はどんな風に考えられるか。
そんなことを考える様になったのは、専門学校から逃げて、土方をした果てに大学に入ってからな気がするから、小学校4年生10歳に遅れること実に12年ということになる。
何が教育かとか以前の問題で、子供には何かを刷り込めてしまう。そのことについて、講演が終わってからもずっと考えてしまっている。
「多面的な視点で」。これはもう是非、娘の意地っ張りと衝突した時に、話し合うきっかけとして使いたい。少なくとも、自分が娘に字を書かせるよりも、マシなことになる気がする。


TEDxHimi:ジョン・ハンター氏講演」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 帝国軍の記憶二題とその他 – shiratama.net

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です