換金できなければ地方の資産とはいえないのか

投稿者: | 2016年6月22日

日本が国家として云々とか、あれが政治だコミットだと、選挙を前にしていつもより少しうるさくなっている様です。
ネット原住民と呼ばれる一定の層が、とにかく政治は嫌だ、こんなの間違ってるとか正しいとか、グルグル追いかけっこをしている様子もレポートされていますが、とりあえず天下国家の前に足元の話し。
あ、都市部に住んでいる人にはあまり関係の無いエントリーかもしれません。田舎在住のみんな、ちょっと考えたんだ。聞いておくれよ。

最近、歴史を知ろう、日本人のルーツを知ろうという勉強会の話しをちょこちょこと見かける様になりましたが、その勉強会はさらなる学習の入り口としてなのか、目からウロコでなにか認識を新たにするためのゴールなのかが気になっています。
つまり、神代あたりの出来事だとされることを、これが神話で、これが日本人の心のルーツだと、非常に大雑把なところで納得しても、あまり意味が無い様に思うわけですよ。
1990年台に勉強した日本の歴史の教科書は、結構な量の修正があるというのも聞く話しですし、何を以ってどう妥当と考えるかについて、ちょっと保留にして、もうちょっと自分の地元に目を向けて学習してみるのはどうだろうかという提案です。

手元に『氷見の伝説』という本がありまして、奥付を見れば昭和57年に氷見の教育委員会が編集発行しています。1982年のことですから、34年前の本ですね。編集後記にはこうあります。

採録しました伝説は、市内を五つの地区に別け、各地区に二十三編づつ、百十五話にまとめました。それでもなお、市内のあちらこちらでは、まだまだいろんんな語り伝えが生き続けているものと思われます。

さて、新世紀に入って、果たしてどの程度の語り伝えが生きているものか、非常に気になっています。
恥ずかしながら自分の地元の村や、近辺の村の伝説として採録されたものを昔話として直接誰かから聞いたことは一度もありません。
それどころか、うちの村の伝説として採録されているお話しは、夜、山向こうの隣村に行こうとしている侍が、山中で大勢の化け物に囲まれながらも九死に一生を得た話しで、「鶏声坂」という地名の由来にもなっているということ。
しかし、この「鶏声坂」がどこなのか、ちょこちょこ人に聞いているんですが、今もとんとわからないものであります。まだ聞き込みが足りない可能性も高いんですけど、自分の村のことながら、この侍がどこの場所を通ったものかわからない上に、年代によって、うちの村の山には、大きな寺があって非常に栄えていたりもしたと聞いています。

神代のことどころか、侍がいた頃のことも本腰を入れないと、そうそう検証できないんですよ。お話しの話者として名前が挙がっている女性も、34年前の本のことだし、聞いたこともないお名前なので、ご存命とは考え難いです。
この伝説も、ひょっとしたら、お寺の権威を貶めるための目的でできたものか、それともなんですかね。この山の向かい側に連なる山は山伏の修行場もありますし、そこそこ山中を歩く人たちは居たのではないかと、ひょっとしたらそういった類の人たちとの遭遇が、こんな話しの元になっているのではと推察するものですが、これも結局は想像の話し。

地元の歴史というのは侮れないもので、それが地元の文化の礎になっているわけですから、教科書レベルの大きな歴史や司馬遼太郎で納得する前に、自分が住んでいる場所で昔、どんな人たちがどんな風に生活していたのかを調べてみるのはいかがでしょうか。
正直なところ、オカルトまがいの大雑把な説よりも、面白いものが発見できたりする可能性も高いですし、なにせ案外びっくりするぐらいキリがありません。
しかも、子供の頃から慣れ親しんでいて、昔からこうだと聞かされ、なんとなく自分でも納得していたことが、実は明治後期から始まったことだったりした日には、こういったなんとなくの危うさや、一世代、二世代と放っておくと、どんどん「知っている人」が居なくなることも実感できます。

目の前のことすら簡単にわからなくなることを知ることで、かえって、これを大切にしなければと考える方向に結びつけやすくならないでしょうか。
氷見といえば魚となりがちですが、面積的には山間地の方が多く、本を見ても、各地から様々な伝説が採録されています。固有の話しなのか、類話のあるものなのか、人々の暮らしとどう結びついていたのか。
地方創生とか、シビックプライドの醸成とか盛んに聞く言葉ですが、掘り起こして早々に換金できそうなものを探しているうちに人口が減少していたり、住みやすさの指標が消費生活のしやすさになったりしているわけで、この辺でちょっとおちついて、足もとを見てみるのも悪くない気がするものであります。
皆さんの田舎でもいかがですか?

しまった、いきなり長いわ。わかりにくくは……。ない……。はず……。ふがくく。


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