花が待っている手紙

投稿者: | 2018年7月14日

むかしむかしあるとことに、一輪の花が咲いていました。
花はずっと、手紙を待って咲いているんですが、寝てもさめても、ずっと手紙は届きません。
花が待っている手紙は、花がいつも空想している……。
と、ここまで書いて、なんだか虫眼鏡で細かいところを見ている様なお話しになってしまったので、男は困ってしまいました。
本当は、こういう細かいところに入っていく様なお話ではなく、望遠鏡で遠くを見通す様なお話しを考えたいのです。
それは、とっくの昔に滅んでしまった巨大で獰猛な生き物たちの残像だったり、宇宙を旅する大きな蟹が、たくさんの月に刻む爪痕の様な、そんなお話しです。
きっと、潜水艦に乗り組んで、何年も経つから、こんなことになるんだと、男は考えました。次に浮上するときには、必ず潜望鏡から外を見よう。何も見えなくてもいい。とにかく見ることが大事だ。
男はメモ帳の端に「潜望鏡」とだけ書きつけて、花がいつも空想しているものについて、改めて考えはじめました。



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