塔の都で

投稿者: | 2018年7月16日

むかしむかしあるところに、一匹の甲虫がいました。
ある日、甲虫はゴミ袋に閉じ込められ、風に飛ばされて、塔が沢山建っている都に辿りつきました。そこでようやく袋から抜け出したのですが、一体何が起こっているのか、自分でも何が何だかわかりませんでした。
それでも、この都の塔たちと、吹き抜けていく風を眺めていると、ずっと漠然と足りなかったパズルのピースがはまる様な気持ちになりました。
急に天気が悪くなり、雷まで始まったので、甲虫は朝まで休めそうな場所を探しました。
すぐに、小さな川にかかる橋を見つけたのですが、その近くにある小さな塔がとても気になりました。
塔には普通に入り口が付いているのですが、横に小さな梯子が付いています。ところどころ入り口もある様ですが、梯子は塔の屋上まで続いています。
甲虫は、好奇心に従って、とりあえずこの梯子で行けるところまで行ってみることにしました。虫なので梯子はお手の物です。
この都に来てからずっと感じている不思議な気持ちに、何かの決着がつくのではないか。甲虫はそんなことを考えながら、梯子をのぼるのでした。



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