待つカラス

投稿者: | 2018年7月19日

むかしむかしあるところに、一枚の地図を前に思案しているカラスが居ました。
カラスはリンゴを入れたカバンの上に乗っています。
実は朝からずっと、そのカバンに乗ってカバンの番をしているのですが、もう夜になって、時計が一回りしてしまいました。
地図が示している場所は、この道を少し進んだ山の向こうにあります。
そこには昔から、卵が割れると、かなりの毒が撒き散らされてしまうはずの伝説の生き物が暮らしているのです。卵が毒なら、その卵を産む生き物はもっと毒です。そして、困ったことに、この生き物は卵の中でも一番強いものの他は、自分の卵だというのに、壊して毒を撒き散らしてしまうのです。
カラスが乗っているカバンの主は、カラスにここで待てと言って山の向こうに向かって行きました。
待てとは言われましたが、いつまでとか、来てはいけないとか、そういう事についてはなにも言われていません。
この山の向こうには、生き物を閉じ込めておくための閉ざされたピラミッドがあるはずで、カラスはそろそろ、自分もそこに向かって行くべきではないかと考えています。



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