白玉古本店

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SFを読んだ記憶

白玉日記 2023-12-09      

来年から、ゆるゆるとSFの読書会をしようという話が出ていて、何から読み始めたものかと考えています。本は決めないまま、直近読んだSFの本の感想を共有するということでも良いのですが、せっかくなのでお題にする本を決めて、挑戦してみたいのでした。

そうこうしていると、最初に読んだSFはなんだろうという話になって、いろいろと思い出してみてはいるものの、どうもはっきりと思い出せません。
児童書でないものではどうだったかも、少し定かではないのですが、小松左京の『明日泥棒』『ゴエモンのニッポン日記』『日本アパッチ族』は、小学生の頃に読んだ記憶がありますが、この頃に、アシモフかブラッドベリを背伸びして文庫本で読んだ気がするのですが、この辺がどうも、小学校の図書室にあった岩崎書店のSF少年文庫のSFと記憶が混ざって、定かではありません。
ジュブナイルも含めたらということになると、眉村卓や光瀬龍は読んでいて、どういうわけか、筒井康隆がいまひとつのれなかったイメージがあります。
小学生の頃に、ちょうど映画になったこともあって、平井和正の『幻魔大戦』を読み始めました。角川文庫版は主人公の東丈が失踪して、そのまま青春宗教団体小説になっていったけれども、そのまま20巻完結まで読んでしまいました。ただこれは、平井和正の他の小説の勢いの効果もあった様に思います。
小学校5年生の時に、荒俣宏が編集していた『世界の恐怖怪談』を読んだところ、そこから怪奇小説の道があったせいもあって、そこまで熱心にSFを追いかけなくなったこともあります。
中学生の頃には、SFマガジンもたまに読んでいた気もします。映画『ブレードランナー』からディックを知り、ムアコックを読み、やはりどうもSFよりもファンタジーや幻想文学に流れていった感じがあります。

そもそも、どうしてSFの読書会かと、この提案をくれた本人に聞いてみたところ「今の娯楽小説やラノベなどの文脈の根源が知りたい」ということが、大きな提案理由だそうで、なるほど原点か……。となると、やはりスペースオペラから攻めたい心は巻き起こるのですが、道のりとしてどうなのか、本の方も意外と入手困難なものが多い様にも見えます。いえ、確かに古本屋なのでそれはそれなんですが……。

と、思案していたところ、別の書痴の友人から、ストンと良い返答が飛んできました。
新井素子。
いかがでしょう。私としては、「今の娯楽小説やラノベなどの文脈の根源が知りたい」という裏のテーマのことも踏まえて、十分腑に落ちました。第一回は新井素子『星へ行く船』ということにしようと思います。新井素子が初めての人も、久しぶりの人もいかがでしょう。
来年1月からのSF読書会。日取りを決めたらまたお知らせします。