住倉さんの怪談イベントをきっかけに、先日から怪談を考えることにして、週に一本は必ず仕上げると決めてあれこれ書き留めています。
店主は長く台本を書いたりしているので、お話を考えるのは得意な方なのですが、いざジャンルを決めて書くとなると、やはり経験が必要になるというか、怪談が次々まとまるというわけにはいきません。
怪奇小説は好きで、そこそこ読んでいる方だと思うのですが、やはり何か勘所を掴む必要がある様です。
みなさんは、怖い体験をしたことがあるでしょうか。
店主は霊感とか、そういう特殊能力とは縁のない方だと安心して日々暮らしているのですが、なんやかんやで時々変な目にあうことがあります。
「変な」なので、実際お化けを見たとかそういう直接的なことでもないのですが、同じ日に似通ったことが起こるとか、人が違うのに同じ様な繰り返しがあったり、変な偶然が重なっているのではあるまいかと思う。そんな経験がたまにあります。
霊感とは無縁で安心と言いつつ、よそ見が多い方だからか、妙なものを見た気がすることも、多い方かもしれません。ただ、これは単純に怖がりだからいかんのだろうと思うのです。「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という経験がよくあるというか、本当にドキッとしたので、流石にこれはちゃんと見定めないと怖すぎる……。それでよくよく確認したら人の様に見えただけだとか、毎度そんな感じのオチがつきます。
ただ、この「よくよく確認」というのができる段階で、本当はこの世のものならぬ怪奇を体験ではないのだろうと思います。見定めていよいよ本物となったらどうするのか。どうするもこうするも、そうなれば、「霊感」というやつの領域になるのでしょうか。
「……枯れ尾花」の慣用表現つながりでいえば、「藪をつついて蛇を出す」という結果になるわけですね。
随分昔のことになりますが、友人が読んでいたコンビニ売りの怪談本が結構面白くて、自分でも買って読んだのですが、それでふと気づいたことがあります。
その怪談本は、実話系という触れ込みだったのですが、話がなんだかとりとめなく無造作なものと、結構しっかりとオチのあるものに分かれるのです。
怪談を作ろうと思って、いろいろやってみていると、実際にちょっとゾッとした経験は、いまひとつ取り止めがないものだなぁと実感して、ふとそれを思い出しました。
さて、どの話が、どの程度「実話」なのか、ちょっと知りたいところですが、これはこれで、実際に知ることができたとしたら、藪蛇になる類の話でしょうか。
毎週一本作った怪談は、noteにマガジンを作ってまとめていきます。一年続ければ、50本ほどの怪談ができる段取り。とはいえ、なかなか怖くならないし、果たして続くのだろうか……。